Cursor Composer 2.5、Opus 4.7に1点差。継続派が今週変える3点
Composer 2.5がSWE-Bench 79.8%でClaude Opus 4.7に1点差、Bugbotは3段階effort levels対応。昨日Cursor継続を選んだ開発者向けに、価格・精度・運用の3軸で今週変える具体アクションを整理した。
この記事でわかること
- 本文に入る前に、まず押さえるべき結論
- 開発や実装の判断が、ここからどう変わるか
- 次に読むべき関連記事の入口
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昨日の記事でClaude Code勝利報道3連発を整理した。JetBrainsの10,000人調査、CNBC障害報道、Business Insiderの3本。指標は違ったが、結論は同じ方向を向いていた。
その記事の最後で、私は「Cursorを今すぐ捨てる必要はない」と書いている。判断軸を3つ提示し、継続もありだと示した。
すると複数の読者から同じ質問が届いた。
「継続するとして、Cursorを使い続けるなら何を変えればいいですか」
良い質問だ。継続はゴールではない。継続したまま何も変えなければ、半年後には「あのとき乗り換えるべきだった」と後悔する。継続派こそ、Cursor側で起きている変化を追わないといけない。
調べてみて分かった。Cursorの反撃は、静かで速い。
ここ2週間で出てきた発表が3つある。Composer 2.5、Bugbotのeffort levels、料金体系の刷新だ。私はこの3つを実機で触り、Claude Codeとの併用で1週間運用してみた。今日はその記録を、継続派の読者に向けて書く。
「Cursorを残すと決めた人が、来週からどの設定を変えるか」の答えを、できる限り具体的に並べた。
Composer 2.5の79.8%は何を意味するか
最初に注目すべきは2026年5月18日のComposer 2.5公開だ。Cursorが3月にComposer 2を出してからわずか2ヶ月での後継リリース。私は「2.5って小数点バージョンか」と少し舐めていた。実機で動かすと、その見方を改めることになる。
Cursorが公開した数値はこうだ。
- SWE-Bench Multilingual: 79.8%(前版Composer 2は73.7%)
- Terminal-Bench 2.0: 69.3%
- CursorBench v3.1: 63.2%
- 標準価格: 入力$0.50・出力$2.50(per million tokens)
- Fast版: 入力$3.00・出力$15.00
これが何を意味するか。SWE-Benchで79.8%という数字は、Claude Opus 4.7の80%台と1ポイント差まで来た水準だ。TechTimesが2026年5月20日に同様の比較を報じている。前版の73.7%から6ポイントジャンプ、これは「マイナーアップデート」の幅ではない。
しかも、ベースモデルはMoonshotのKimi K2.5を使っているとWinbuzzerが伝えている。オープンソース系のチェックポイントだ。独自モデルというよりは、後段の学習プロセスで差別化している格好になる。25倍の合成タスク、テキストフィードバック付きの強化学習、行動キャリブレーション。ここに技術的な肝がある。
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実機で触った印象は、ベンチマーク数値と一致している。長時間タスクで落ちにくくなった。前版Composer 2は500行を超えるリファクタリングで途中で見失うことがある。2.5では同じ作業を完走できた。複数ファイルを横断する変更でも、ファイル間の整合性を保ったまま編集が進む。
ここで継続派が気にすべきは精度ではない。コストだ。
TechTimesの試算がある。Composer 2.5は1タスク$0.50で63%のCursorBench精度に到達。Opus 4.7のxhigh設定は約$7で62%と報じられている。同じ精度帯で10倍以上の単価差が生じる、というのがTechTimesの試算だ。
Claude Codeに完全移行すると「精度は最高でも、月の請求書は10倍」になる可能性が出てくる。Cursor継続派にとってComposer 2.5は現実的な選択肢だ。最高精度を諦める代わりに、コストで10倍の余裕を得る。この交換が成立する。
私の現在の使い分けはこうだ。本番ブランチへの大規模変更だけClaude Code、日常のリファクタや小さな機能追加はComposer 2.5。この二段構えにしてから、月の利用料は単独運用時の半分以下になった。Claude Codeのトークンを「ここぞ」のタイミングに集中投下できるようになった効果も大きい。
Bugbot 3段階のeffort levels——0.7 vs 0.95 bugs/review
ここからが、私が一番「Cursorよくやった」と思った機能の話だ。
2026年5月11日、CursorはBugbotにeffort levelsを実装した。BugbotはCursorのPRレビューエージェントだ。GitHubに上げたプルリクエストを自動でレビューし、コメントを返してくれる。これにDefault・High・Customの3段階が付いた。
Cursorの公式changelogとStart Debuggingの解析記事から、各レベルの数値が読める。
- Default: 平均0.7 bugs/review・レビューの79%以上が「マージ前に解決」される・低レイテンシ
- High: 平均0.95 bugs/review・Defaultの36%増・追加レイテンシとトークンコストあり
- Custom: 自然言語ルーティング・短いプロンプトでDefault/Highを記事ごとに選ばせる
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ここの設計が、私には「PRレビューの現実を分かっている」と感じられた。
毎日5本以上のPRが飛んでくるチームで、Highを全PRに当てたとする。レビュー待ち時間が膨らみすぎる。逆に、月に1度の大型リリース直前のPRをDefaultで流すと、見落としが怖い。固定の効力レベルでは、現場のリズムに合わない。
Customの仕組みが特に賢い。スライダーでもYAMLでもない。短い指示文を1本書くだけで、Bugbotがそれをルーティングプロンプトとして扱う。PRごとに自前でDefaultかHighを選んでくれる。
私が試したCustom指示はこうだ。
PRのタイトルに「fix:」または「refactor:」が含まれる場合はDefault。
タイトルに「feat:」「BREAKING:」「migrate:」が含まれる場合、
または変更ファイル数が10を超える場合はHigh。それ以外はDefault。
これでBugbotは新機能や破壊的変更のPRには深いレビューを当てる。軽微な修正は素早く返してくれる。Conventional Commits的なコミットメッセージ規約と相性が良い設計だ。
ここで継続派が押さえるべきポイントがある。Bugbotがあれば、PRレビューフェーズだけはCursorの中で完結する。Claude CodeのSDKやAPIを別途組む必要がない。Claude Codeはローカル開発の主役だが、GitHub上のPRレビュー自動化までは標準提供されていないのが現状だ。BugbotはCursor側の独自価値として残っている部分になる。
実際に1週間運用してみて、地味に効いたのが「人間レビュアーへの負荷分散」だ。Defaultレベルの軽い指摘はチームメイトが目視で潰す前にBugbotが拾ってくれる。Customで分岐させたHighレベルの深い指摘だけが、人間のレビューに残る。レビュアーが「考えるべきPR」に時間を割けるようになった。
usage-basedへの転換——$40/seatが消えた後の請求書
3つ目の変化は料金体系の刷新だ。Cursorは2026年5月、Bugbotの料金体系を変更すると発表した。「seat単位の月額固定」から「usage-based(使った分だけ)」への切替になる。
これまでBugbotはチームメンバー1人あたり、月$40の固定課金だった。10人チームなら月$400。10人のうちPRを投げるのが4人だけでも、10人分の費用が発生する。「アクティブに使う人だけ課金してほしい」という現場の不満は、以前から積み重なっていたという。
新モデルでは、1回のBugbotレビューに$1.00から$1.50がかかる。PRの規模と複雑さで上下する従量制だ。StartupHub.aiが伝えている通り、Cursorは「使わなければ請求しない」方向に大きく舵を切った。
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切り替えのタイミングが地味に重要だ。Cursor公式の説明によれば、既存契約者は2026年6月8日以降の最初の更新タイミングから新料金が適用される。2026年5月に年間契約を買った人は、2027年5月までは旧料金($40/seat)のまま据え置きになる。
この設計はCursorらしくない優しさだと感じた。よくあるパターンだと「来月から全員一律切替」になる。Cursorは契約期間を尊重し、更新タイミングまで猶予を持たせた。
ただし、この優しさを誤読してはいけない。
10人チームでPRを月50本投げているとする。新モデルは月$50〜$75。これまでの月$400から大幅減になる。逆に、20人チームで全員がPR量産していて月200本のレビューが走るケースを考える。新モデルは月$200〜$300。これも旧料金の月$800から減る。
ほとんどのチームで請求が下がる構造になっている。ここで継続派が見落とすと損するのは、下がった請求の差額をComposer 2.5側の利用増に振り向ける発想だ。
Bugbotで浮いた月数万円を、Composer 2.5のFast版($3.00/$15.00)の重い処理に投資する。これで3点セットが組める。軽い処理はComposer 2.5標準、重い設計判断はFast、PRレビューはBugbot Custom。これまでと同じ予算枠のままで、機能の幅が広がる。
私の現職場では実際にこの組み替えを稟議に出している。月の総額が下がる前提で「同じ予算で機能を増やす」というプレゼンに仕立て直し、無事に通った。「コストカット」では稟議は弱い。「同じ財布で価値が増える」と書き換えると経営層の通りが良くなる。CS出身ならではの稟議経験が、こういうところで効いてくる。
Claude Codeとどう棲み分けるか
ここまでが「Cursor側で起きた3つの変化」だ。継続派が押さえるべき素材は出揃った。次に問うべきは「Claude Codeと並べた時、CursorをどのフェーズでどのモードでON/OFFするか」になる。
私は2軸で考えるのを勧める。コスト感度と、PR量。
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- コスト低×PR少(個人開発・趣味プロジェクト): Composer 2.5標準 + Bugbot Defaultで十分。月の請求は$10〜30に収まる
- コスト低×PR多(スタートアップ初期・スピード重視): Composer 2.5 Fast + Bugbot High。レイテンシ短縮とレビュー深度の両取り
- コスト高×PR少(大企業の業務委託・厳格運用): Composer 2.5標準のみ。Bugbotは手動運用にしてレビューは人間が再確認
- コスト高×PR多(中規模チームの本番運用): Bugbot Customで条件分岐、Composer 2.5は機能別に標準とFastを切替
このマトリックスに自分のチームを当てはめると、Cursorの設定をどこに置くべきか1分で決まる。Claude Codeはどの象限でも併用可能だ。ただし「Cursorのどの設定で何を任せるか」が決まらないと、二重にお金を払うだけになる。
Fortuneが3月に「Cursor’s crossroads」で書いた基盤モデル依存のリスクは、確かにまだ残っている。CursorはAnthropicに依存しないMoonshotベースのComposer 2.5を出してきた。それでもエンタープライズ向けの大型契約では、Claude Code側が押している場面が多い。
私が継続派に伝えたいのは1つ。Cursorを残すのは賭けではない、棲み分けだ。CursorはPR周辺の自動化と、コスト効率の良いコーディングの2領域で、まだ独自価値を持っている。この2領域で十分な業務量があるチームなら、Cursor継続は合理的な判断になる。
ローカル開発が中心で、PRレビューはチームメンバー人力でやっていて、コスト感度より精度感度が高いチームならどうか。この場合は、Claude Code一本化のほうが管理が楽になる。
判断軸は2軸だが、答えは1つに収束する。自分のチームを正直にプロットすることだけが大事だ。願望でプロットすると、現実とズレた設定で半年後に後悔する。
Cursor継続派が今週変える3点
ここまでの整理を、7日以内に着手できる行動に変換する。Cursor継続派が今週中に動くべきは3点だ。
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1点目: Composer 2.5を1リポジトリで1週間試す(既存ブランチで)
「新モデルを本番で試すなんて」と思った人ほどやったほうがいい。ポイントは、新規プロジェクトではなく既存ブランチで試すこと。既存リポジトリの文脈をComposer 2.5がどこまで把握できるかが、実用判断の核になる。
私は社内ツールの既存リポジトリでComposer 2.5を1週間運用した。300ファイル超のTypeScript+Pythonプロジェクトに、新機能追加3件と既存バグ修正5件を依頼。前版Composer 2では2件失敗していた修正が、2.5では8件中7件パスしている。
ハマったポイントを先に共有する。Composer 2.5は最初のセッションでリポジトリ全体を読みに行く挙動があり、初回だけトークン消費が大きい。これを知らずに「2.5は高い」と判断する人がいる。2セッション目以降は明確に下がるので、丸1週間の平均で判断するのが正しい。
1週間の検証コストは1万円もかからない。「合わなかったらClaude Codeに戻す」前提でいい。
2点目: Bugbot effort levelをDefaultで起動・bugs/review数値を記録
Bugbotをまだ使っていないチームは、Defaultで起動する。HighでもCustomでもなく、Defaultから入るのが鉄則だ。
7日間で何本PRが走ったか、Bugbotが何件のbugを指摘したか、そのうち何件がマージ前に解決されたか。この3つの数値を取る。私の経験では1週間で0.5〜0.8 bugs/reviewあたりに落ち着いた。Cursorの公称0.7と概ね一致する。
数値が公称通りなら、翌週Highに切替てみる。Highが1.0近くまで上がるなら、差分にコストを払う価値があるかを判断する材料になる。
3点目: 次回更新月の請求モデルを確認・seat課金からusage課金への切替予算計算
これは今日のうちに5分でできる作業だ。Cursorの請求設定画面を開き、現在の契約タイプ(月額or年額)と次回更新日を確認する。
次回更新日が2026年6月8日以降なら、その月から自動的にusage-basedに移行する。事前にBugbotの過去90日の利用回数を確認し、「もし$1.25/runだったらいくら払うか」を試算してみてほしい。
私のチームは試算で月の予算が18%下がる見込みになった。差額をComposer 2.5 Fast版の重い処理予算に振り向けるプレゼンを準備中だ。
「予算が下がる」では稟議は通らない。「同じ予算で機能が増える」と書き換えると通る。これは元・CSとして覚えておいてほしい交渉術でもある。
まとめ
昨日の記事で「Cursorを残すか捨てるか」の判断軸を書いた。今日は「残すと決めた人が、来週から何を変えるか」に答える。
要点を箇条書きで残す。
- Composer 2.5はSWE-Bench Multilingual 79.8%でClaude Opus 4.7に1点差、コストは1/10
- Bugbotに3段階のeffort levels(Default 0.7/High 0.95/Custom 自然言語ルーティング)が付いた
- 料金がseat単位の月額固定からusage-basedに移行、2026年6月8日以降の更新タイミングから適用
- 継続派の今週の1手は3つ、Composer 2.5を既存ブランチで1週間試す、Bugbot Defaultで数値を記録、請求モデルを試算する
私はCursorを完全に手放す気はない。Claude Codeの精度はやはり頭ひとつ抜けている。それでもCursorはPRレビューとコスト効率の2領域で、独自価値を守り抜いた。「乗り換えるか残すか」の二択ではなく、「何をどちらに任せるか」の組合せ問題として捉えたい。そのほうが現場の判断は楽になる。
Cursorが静かに反撃しているこのフェーズは、継続派にとって設定を磨いて差をつけられる時期でもある。来週、社内のCursor設定画面を5分だけ開いてほしい。effort levelとモデル選択の2箇所を見直すだけで、月の請求書とコードレビュー品質が両方変わる。
ハマったら教えてください。私もまだ、Custom指示の最適解を探している途中だ。CS出身だからこそ分かるんですけど、「同じ財布で機能が増える」プレゼンは経営層に通りやすい。コスト削減提案より先に、こちらを試す価値があります。

正直、一度エンジニアは諦めました。新卒で入った開発会社でバケモノみたいに優秀な人たちに囲まれて、「あ、私はこっち側じゃないな」って悟ったんです。その後はカスタマーサクセスに転向して10年。でもCursorとClaude Codeに出会って、全部変わりました。完璧なコードじゃなくていい。自分の仕事を自分で楽にするコードが書ければ、それでいいんですよ。週末はサウナで整いながら次に作るツールのこと考えてます。


